建築の令和の考え方はDIY化?
町を歩くと「空き家」が見つかるというくらいに、人の住んでいない戸建て住宅を見かける。
一方で都市部では、どこもかしこも建築工事だらけ。
10年前は何もなかった様な土地、駅でも10年後はタワマンに囲まれるなんて事はどこでも起きている。
なんとも歪な世の中と感じている人は少なくないだろう。
調べると「空き家」については平成30年の情報では約850万戸(戸建て、ビル、マンションを含む建物)で全国の建築物に対し13.6%もの高い比率となっている。
これは今後も更に増えるとさせている。理由は高齢化社会である。
昭和40~50年前後、戸建ての建築ラッシュがあった、憧れのマイホームを持つことが当時のバブル期の働く目的やシンボルとなった。
ところがバブルははじけ、戸建てのマイホーム需要はかつての魅力を失ってしまった。「マンションがいい」「お洒落なところに住みたい」「賃貸の方が楽」「戸建ては掃除が大変」などの
マイナスイメージから、時代を継承する事なく新たな価値に移り変わった。加えてかつての戸建てオーナーも年を重ね気付けば要介護者の認定を受けて、介護施設に厄介になる。
その様な時代のギャップがあった。
この為か空き家の数は急増し、場合によっては放置されている様な現状がある。
戸建ての空き家はここででは記載しないが様々な問題を抱えている。気が腐って、草は伸び続け、異臭を放ち、場合によっては浮浪者が住みつく
そこで日本国政府としては空き家に対しての様々な支援や対策を講じてきている。
特に古い空き家物件を購入し、リフォームまたはリノベ―ションを行い新たな住み方の提案を促している。
一方ではDIY産業も10年前に比べて、市場拡大をしている。DIYとは”Do It Yourself”の頭文字をとり、自分自身でリフォームするという意味を持つ
古い建物をキレイにして使おうという新しい考え方である。
“昭和には戻らないが令和としてオリジナルや手作りでアレンジした賢い生活”というのが今風の考え方なのであろう。
またリフォームに関しては500万円以下の工事に関しては、建築士または建築施工管理技士といった建築工事の管理監督義務は不要となる為、
ちょっと器用で知識のある人であれば、リフォームしても良いとされている。リフォームを専門としている事業者も多々あるが、
時代的には自分で自分の新たな価値の住まいを作るというのが現代風。
建築工事のラッシュは今もなお続いている状況で、空き家になった対策はするもの、予測出来る空き家に対しての対策はしないという方針に映るが、
今後も建築士、建築施工管理技士の需要は無くならないのであろう。